あらすじ
本編では肉体を持たぬヴァムピール「男爵(バロン)」が、まだヒトの体に宿っていた頃の物語。時は19世紀末、栄華と退廃の都ロンドン。スコットランドヤード巡査部長マイアズ(キング)、「男爵(バロン)」、”真正の吸血鬼”アシュレイ卿――奇妙な縁で結ばれた”ヒト”と”人外”。彼らのゆく処、陰惨な猟奇殺人事件が待ち受ける!! 『赤マントの男』『伯爵夫人の粉』『青ひげ』、3つのエピソードを収録した第2弾!!
あらすじ引用先:ヴァムピール特別編 KING AND BARON+ 2巻 | 樹なつみ | Renta!
もとになった事件
青ゲットってなんだろうと思ったら、青い毛布のことだそうです。ヴァムピール特別編の解説では「赤毛布」となっていますが、本当は青い毛布だったようです。
この時代にもあった「出会い系」
この時代にもあった「出会い系」
国も時代も違うのに、やっぱりこういうのってあったんだと感心したのが、「LA BABRE BLEUE(青ひげ)」に出てきた被害者の女性を集める方法。
犯人はパートナー募集の広告を出して、応募してきた女性を殺害していました。
今だったら出会い系みたいなもの?と思うと、なんだか不思議です。
豪華な舞台
この作品に出てくる立派なお屋敷、ドールハウスのような地方の名家など、溜め息が出るような素敵な住居です。
女の子が着ているビスクドールのようなフリルのドレスがかわいいし、カーロイル伯爵婦人のドレスはゴージャスです。
話はホラーですが、こういう美しいものって見ているだけでも楽しいです。
印象に残った話~DOUDRE DE COMTESSE(伯爵婦人の粉)
自分の欲望のために毒を使って大量殺人を行う、美しき伯爵婦人の話です。
この話の悪人はカーロイル伯爵婦人です。幼い頃から実の兄弟と関係を持ち、伯爵婦人となってからは慈善病院に慰問しつつ、病人を毒薬の実験台にしていた女性です。
彼女はバロンの弟アシュレイとは、子供の頃から知りあいでした。伯爵夫人は年をとらないアシュレイを、ずっと心の中で追い求めていました。とんでもない人物ですが一抹の哀しさも秘めており、まさに悪の華といった女性でした。
2巻の主役
主人公はマイアズなんですが、今回の裏主人公はアシュレイだったと思います(2巻の表紙になっている男性)。
カーロイル伯爵婦人が昔愛した女吸血鬼とそっくりだったため、彼女が幼い頃から何度か会いにいってました。
アシュレイは一人の女性をずっと忘れられないでいたようです。
切ない恋ですね……。
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